本人の年代 20代 ペンネーム ( Y.H. ) さん
『うそでしょ!道がないけど!木や枝がいっぱいあるし、雪で斜面がどう
なっているのか?全くわからないし‥けがをするかも‥』
スキーウェアのTと並んだ私の心の中は半泣きでした。
20年前の秋田で迎えた初めての冬。言語指導教室の冬休みイベント。
120メートルほどの高さの大森山の雪の斜面を下りるだけ。
積雪は軽くひざくらいはあったように思います。
引き返すことは不可能だから、「ひぇー!きゃー!」とか叫びながら、下る
しかなくて‥
Tはほとんど転げ落ちる感じ。
足が滑ったら、しりもちをついて止まるしかないし、足を前に出すのも
一苦労。足はガクガク、ほうほうの体でたどり着きました。
『二度目は困る!』と思っていたら、言語指導は幼稚園生までで二度目は
なかった(笑)
しかし、『なんでこれがことばと関係あるの?』という疑問は次の教室で
先生に聞きました。『体を動かし、心も動かされるような体験は、心の
成長と共にことばも促す』というような答えでした。それから、先生の
教えが度々よみがえり、その都度胸に刻まれて本当に心の財産となりま
した。
雪山を見ると、私とTが雪山を転げ落ちるシーンがストップモーションで
脳裏に浮かびます。忘れることのできないワンシーンです。
雪山を転げ落ちた6歳の冬
スキーウェアで登園してました。
本人の年代 20代 ペンネーム (Rの母)さん
つい先日、4月のゴールデンウィークのこと、母(本人にとっては祖母)の
三回忌のために三重の実家に行きました。
きっと、法事なんて嫌がるのだろうなあと、10秒リタイヤ!と思っていたの
ですが…
思いがけず、仏壇前の並んだふかふかの座布団に足を投げ出して座りこみ、
隣のいとこたちと同じように数珠を手にかけて、ご縁さんのお経を聞く
ことができました。
きっと母は、立派な孫の姿をあの世で喜んでいます。
母は、いつもRのことを気にかけていましたから…。
わたしもうれしかったです。みんなと同じようにやってみたかったのかな…
おじさんやおばさんに「偉かったなあ!よく頑張ったなあ!」と褒められ
て、うれしそう照れくさそうにしていました。
忘れられないできごとになりそうです。